帰って来た HERO【完】
トイレットペーパーでゲロだけ拭ってやった。
汚したら宿に悪いから。
「えりこりーん・・・」
「うーん・・・」
ジョイトイはまゆたんの膝の上で呻いている。
そこのポジションは本来俺の物だが、酔い潰れた親友を心配するまゆたんの気持ちを汲んで我慢してやることにした。
「ゆきたん〜・・これ大丈夫かなぁ?救急車とか呼ばなくて平気かな?」
「急性だったらそんなもんじゃないから平気っしょ」
体育会系だから、飲み過ぎで運ばれる奴は何度も見ている。
これくらいなら吐けば治ると思われる。
さっき日本酒がなみなみと注がれていた風呂桶に吐かせたら、ジョイトイはようやく寝息を立て始めた。
「よかったぁ・・・えりこりんが潰れるなんて、吃驚しちゃった」