世界を敵にまわしても
――
――――…


9月下旬の土曜、今日は待ちに待った文化祭だ。


――パンパンッ!と2回だけの空砲が校庭で響くと、生徒達は思い思いの場所へと移動する。


ウチのクラスは当初の予定通り、『ハルくんのやきとり屋さん』を昇降口のロータリーで開く。


あたしと先生の噂だったり、中途半端な時期に担任が戻ってきたりと平穏ではなかったけれど、どうにかここまで持ってきた。


言わずとも、晴と椿のおかげで。


「美月ぃ~! あたし売り子とかやりたくないんですけどぉ」


……あと、晴とは何もないと分かった菊池さんのおかげでもあるかもしれない。


晴ほどではないけど、クラスで発言力とか影響力があるのは女子の中では1番だから。


「やらなきゃいけないの、交代制なんだから」

「美月はやんないじゃん! 黒沢だって!」

「晴はやるんだから、いいでしょ」

「そういう問題じゃないんですけどぉ」


言いながら頬を染めて毛先をいじる菊池さんが、可愛く見えないわけでもない。


こうやって菊池さんと喋る内に、クラス内のギクシャクしてた空気は消えていった。


晴も椿もあたしと普通に接していたから、自然と。
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