世界を敵にまわしても


「おーっし! 準備出来た!? 開場10時からだかんなーっ」


晴が下駄箱から現れると、テント下にいたクラスメイトが「ばっちし!」とか「売るぞー」とか、明るい声で返事をする。


それらに晴は笑顔で返して、あたしの元まで小走りでやってきた。その手には、今日の予定表。


「とりあえず、後夜祭まではお互いの仕事な」

「ん、分かった。晴は前半売り子だよね」

「おー。美月は呼び込みだよな。お互い午後休憩だけど、飯残ってっかなー」

「誰かに頼めばいいよ」

「だなーっ! じゃ、今日はよろしく!」


サプライズゲストさん。と小声で言って、晴はテント下へ走っていく。


……早かったような、遅かったような。でもあっという間だったかな。



あたしが文化祭で歌うことが決まってから、目が回るほど忙しかった。


晴はヨッシー達に何か理由をつけて説得し、あたしが歌うことを了承してもらったわけだけど。


晴達は追加された新しい曲のアレンジ、完成させてからの練習にてんやわんや。


あたしは曲が出来るまで椿に連れまわされて歌の練習。


曲が出来たあとは歌詞をのせるのに苦労して、完成してからは晴たちと猛練習。


2週間ちょっとしかない練習時間は、けっして楽ではなかった。
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