世界を敵にまわしても


あたしは常にムスッとしてて、素っ気なくて、たまに怒ってたけど。


先生はいつも可笑しそうに楽しそうに、幸せそうに笑ってた。


あぁこれは出逢ったばかりの頃のあたしと先生だって思ったの。


立ち止まって、向き合って、色んな話をしたね。


あの静かな部屋で、たくさんの時間を過ごしたね。


あたしにとっても、先生にとっても。人生で考えたらほんのわずかな時間で、一瞬で過ぎるような時間だけど。


2人を通り過ぎた何でもないような日々が、あたしにとってはドラマのようで、映画のようだった。


だってその日々があったから、あたしは先生と想いが通じた。


幸せだった。


人生で今が1番だと言えるくらい、幸せだったよ。


歩んでたきた道に後悔がないと言ったら嘘になるけど、それでも何よりも輝いていた。


特別だった。先生と過ごす時間は。


……先生は、どうだった?


好きだと、幸せだったと言ってくれたけど。どうして終わらなければならないのか、やっぱり分からないの。


好きで、好きで、しょうがないのに。


どうしてあたしは、先生と離れなければいけなかったのかな。
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