CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
 


何の疑いもしないで、ベッドに腰掛けたパク・ユ オッパが目をつむった。


私は、ソッとオッパの唇に自分の唇を重ねた。


一瞬ビクッとしたオッパだけど、すぐに優しく私を抱きしめてくれた。


抱きしめるオッパの手が微かに震えていた。


だから、私もオッパの腰に腕を回してギュッてした。


私の初めてのキスは、ミントの味がした。


頭の中が真っ白になっちゃった。


暫くして、ソッと唇を離した私達、お互いの目を見つめながらクスッて照れ笑いした。


「ハヌルちゃんのお陰で、今日のデビューライブ頑張れそうです。

ありがとうね!」


『うん。

オッパ、頑張って立派な歌手になってねぇ!

そして、私が高校卒業したらお嫁さんにしてねぇ!』


「ハイ。

頑張って凄い歌手になってみせます。

そして、いつか僕のお嫁さんになって欲しいです。

約束ね!」


『ヤ・ク・ソ・ク!
それまで私、もっともっと良い女になるからね。

料理も頑張って、ハングル語も韓国のしきたりも覚えて、いつかパク・ユ オッパの両親に挨拶に行くから。』


「頼もしいねぇ!

僕も日本の事、もっともっと勉強するし、歌も頑張らないといけないな!」


『でも、無理はしないでねぇ!』


「ハイ。

それじゃあ、そろそろ行かなきゃ!」


『下に降りよう。』


私達は、手を繋いで1階に降りていった。


~♪~♪~♪~♪~


デビューしてからのオッパは、あがり症も克服して、TVやラジオで大活躍している。


その上、会社の寮に住み始めたから、なかなか会えないの。


寂しくて、寂しくて、私おかしくなりそう。


毎日メールを一杯くれるし、夜は時々電話もある。


でもね、やっぱりギュッて抱きしめて欲しいです。


だから、私もオッパに負けない様に、オッパを思いながら、ハングル語の勉強してます。


お兄ちゃんのハングル語には、到底敵わないけど、それでも少しずつ喋れるようになったんだよ。


料理も‥‥‥‥、それはまぁいいや!


少しずつ 少しずつ


とにかく、会えない時間はオッパの事を思いながらの、自分磨きタイムです。


アッと、そうそう、私とパク・ユ オッパの事、オンマ(ママ)には話しているんだ。


応援してくれるって言ってくれたよ。


アッパ(パパ)には‥‥‥‥言えない!
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