CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
 


あれって、打ち合わせ無しなんですか?』


「当たり前よ~!

現場は楽しかったけど、最悪なんだから。

睡眠不足で肌荒れは起こすし、待ち時間が6時間とか7時間って有り得なくない?」


『大変そうですねぇ!

私、ダイジョブでしょうか?』


「何を弱気な事を言ってるの!

ロッカー魂でぶつかっておいで!」


『やっぱり研修って言うのは‥‥‥‥』


「無しよ!

即実践。アナ原(アナウンサーの読む原稿の事)読んで練習する前に、運動神経鍛えといた方が良いわよ。

逃げる時は、素早くカメラの前に逃げるのよ。必ず笑顔で。」


『わかりました。』



と色々注意事項を聞いています。


ビビりそう‥‥


昔から観ていたけど、実際にその場に行くのは、かなり緊張するもんですね。


しかし、それが1年、2年とやって行くと、少しずつ見えてくるんですよね。


ベリナイ・メンバー達の、真剣に面白くてカッコイイ番組を作ろうと、精一杯頑張っている事が。


全員から、番組への愛情を感じます。


ベリナイと平行して、毎週土曜日には、アシスタントとして音楽番組をSEIJIさんと一緒にやってます。


以前にも、何回か御一緒させてもらっているので、一生懸命に音楽センスを磨かさせてもらってます。


入社4年目に、TWINKLEって言う女性ユニット歌手が、SEIJIさんのやってる《ミュージック ハウス》に初登場。


歌は‥‥まぁ普通かな!


トークコーナーは、リビングに見立てたセットのソファーに座って、SEIJIさんから質問された事を、対面に座ったゲストが答えて行くと言うスタイルです。


アシスタントの私は、飲み物を出したり、一緒に質問したりしながら、パネルを使って進行していくんです。


チーフカメラマンの隣に立っている、TWINKLEのマネージャーさんが気になるんですけど‥‥‥


背が高くて、超イケメン!


真面目そうだし、仕事が出来るタイプに見えました。


しかし、その後はなかなか会えないので、いつしか私も忘れていました。


それが、その翌年の夏、今度はKYUって言う韓流歌手がミュージック ハウスに出演した時、スタジオの隅で彼を見掛けたんです。


番組収録が終わって、帰りの局の廊下でその彼とぶつかってしまいました。


すると、いきなり彼が‥‥
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