CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=


今日は、11月最後の土曜日。



歌謡音楽祭オンエアの日、俺は実家で家族といた。


その日は、泊まりに来ていたソナの他に、XYZのメンバー全員とテジュンの彼女のミリちゃんも遊びに来ていた。


アボジ(親父)もその日は、珍しく早く帰って来たので、一緒にHNS歌謡音楽祭を観ていた。


ソナは、俺がメジャーデビューした事に少し腹をたてていた。


只でさえ、忙しくてなかなか会えないのに、デビューして仕舞って余計に会えないからだ。


怒るソナを、どうにか宥めて納得して貰った。



大学在学中だけの活動だから、卒業したらいつも一緒に過ごすと約束して。


いよいよ始まった歌謡音楽祭で、俺達の出番になった。


ソナやソラ、それにミリちゃんも、新曲のHappy ChristmasやSweet My Starをかなり気に入ったようだった。


明日が新曲CDの発売日。


俺達は、昼からTレコード店でKYUのサイン会に一緒に行く事になっている。


はたして、何人のファンが集まるのだろうか!?


もし、10人そこそこなら、今回のCD発売は失敗かも……。


アボジ(親父)が言うには、クリスマスソングのCDは、そんなにすぐには売れないそうだ。


しかし、毎年クリスマスが近づいて来ると、必ず売れるクリスマスソングが、良い曲って言うか、皆から愛されている曲となって行くのだそうだ。


とりあえず、発売からクリスマスまでの約1ヶ月の間に、10万枚くらい売れたら、まずまずの売り上げなんだって言ってた。


そう言えば、山下達郎さんやユーミンさんの曲が、この時期には必ず流れるし、10数年経った今でも売り上げを伸ばしているのはうなずける。


やっぱり良い曲は良いと言う事だよな!


KYUのSweet My StarとHappy Christmasも毎年この時期に流れて欲しい。


そんな気持ちでTVを観ていた。


皆で、オモニ(お袋)の作った料理を食べて、11時過ぎまで騒いでいたが、テジュンとミリちゃんは、二人で帰って行った。


ケントとジョージとKYUの3人は客間で寝る事に。


俺は、自分の部屋でソナとイチャイチャしている。


久し振りにソナを抱きしめて、いとおしさが更にアップ。


プクッとしたソナの唇に、優しくキスをして、段々と濃厚なキスへ……。
< 150 / 300 >

この作品をシェア

pagetop