CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
『KYU、それにXYZのメンバー全員にライブの仕事が入っているぞ。』
と言って、白川GM(ゼネラルマネージャー)が遣って来た。
「ライブですか!?」
『そうだ。クリスマスライブを行なう。』
「単独ですか!?」
『あぁ、KYUとXYZのメンバーだけのライブだ。
会場は赤坂BLITZ。
12月24日の18時から3時間だ。
オールスタンディングで一人4200円だから。
1250人を予定している。
李支社長の話だと、500人以上入らなければ赤字だと言っていたから。』
「もう1ヶ月も無いですね。
どうして急にライブが入ったんですか?」
『入った経緯は分からないが、社長が決めたそうだ。』
「アボジ(親父)が?
どうして、いつもギリギリになって事を決めるかなぁ!
余裕持って行動しろって、人には言うくせに!」
『まぁ、そう言う事だから、準備しておくように。』
「わかりました。進行は有りですか?」
『一応、新星MUSICのアナウンサーが最初と最後に入るから。』
「曲数は?」
『全てお前達で決めてやってみろって、社長が言っていたから、自由なんじゃねぇか!?』
まったく、アボジ(親父)の適当さには参るよ!
通常、ライブやるなら最低でも2ヶ月前には準備して当たり前なのに、後20日しか無いなんて、あり得ないっしょ!
とにかくやらなきゃな!
俺達は、2階の小会議室で打ち合わせをする事にした。
『チャンスヒョン、赤坂BLITZってどんなところなんですか?』
「1F2Fぶち抜きの会場だ。
オールスタンディングなら1300人近く入って、仮に2Fをシッティングにしても700人近くは入れるライブ会場だよ。」
『けっこう大きいですね!』
「そうだな。
有名なミュージシャンなんかも利用するくらい良いところだよ。
テレビ局が造ったホールだから、音響なんかにも配慮されているんだ。」
『3時間って長くないですか!?』
「そうだな。
KYUの持ち歌が10曲として、1曲5分計算でも、1時間掛からないもんなぁ。」
『曲を全て、ちょっと長めのライブバージョンにアレンジしますか?』
「全てじゃなくても、何曲かはそうしないといけないなぁ。」
『新しく曲も欲しいです。』
無理言うなよ……。