CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=



今から仁寺洞(インサドン)で焼肉クリスマスパーティー兼打ち上げだ。


控え室には、ソラ、ソナ、ナナちゃん、ミリちゃん、そして、ヒカルちゃんも来ている。


皆、ライブで興奮している。


まるで、自分達のステージだったみたいな勢いで大成功を喜んでくれるから、俺達も嬉しくなってくる。


それぞれの車に彼女を乗せて出発した。


妹のソラとKYUは俺の車に乗せて向かう。


後部シートでソラとKYUが、なにやらヒソヒソ話をしていた。


「ソラ、何話してるの!?」


『お兄ちゃんには内緒だよ!』


「もしかして、KYUと付き合ってるのか!?」


『エッ!?どうして?』


「いや、ただ何となくそんな気がした。」


『チャンスヒョン、僕は、ハヌルちゃんと付き合っています。

凄く大事な人です。

真面目にお付き合いしていきますので、わかって下さい。』


「やっぱりな!

そうだと思った。

前々から怪しいと思ったんだよなぁ。

まぁ、ファンに見つからないように気をつけろよ。

それからソラ、KYUはスターの道を歩んで行かなければいけないんだから、我慢しなきゃいけないって時が長く続くだろう。

でも、わがまま言って困らせたり、無理を言ってはいけないんだけど、出来るか?

会いたい時にだって会えないんだぞ!」


『分かってるよ、お兄ちゃん!

それでも良いから、私とユーオッパ(ユー兄ちゃん)との交際を、応援してね!?』


「俺はいつもソラとKYUの味方だから、心配無いぜ。

応援するからKYU、ソラを泣かすような事だけはするなよ。

これは、兄貴からのお願いだ。」


『分かりました。

必ず守ります。

僕は、将来まで考えています。

必ずハヌルちゃんを大切にします。』


「そしたら、いずれは俺達は義兄弟になるな!」


『そうなったら嬉しいです。』


何でも、KYUの話しによると、最初はプロの歌手に成るのを反対されていたし、KYU自身もためらっていたらしいのだ。


でも、本社のアボジ(親父)の部屋《社長室》に飾ってある俺とソラの巨大パネルを見て、ソラに一目惚れしてプロを決意したとか!


ソラに会いたいが為に、日本でデビューする事を反対する両親を説得して、承諾して貰ったそうなんだって!


一途なKYUを信じて、二人の恋を応援するぜ。
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