ＣＨＡＮＣＥ １ (前編) =YOUTH=

　



最後にソナとデートしたのって、3月1日の彼女の誕生日以来だから、1ヶ月以上前になるなぁ｡


なんて思いながら、赤羽の彼女の家に向かった｡


家に着くと、叔父様とソナの２人しか居なかった｡


叔母様は、仕入れの為に韓国に行ったんだって｡


今日は、日曜日で会社が休みの叔父様は、庭でゴルフクラブを握りスイングの練習中｡


お手伝いさんは、買い物に出掛けているそうだ｡


俺は、叔父様に挨拶をしてから、ソナと一緒に出掛ける｡


今日は、黒のスキニーのジーパンに、ライトブラウンのワークブーツ、白地に黒の英文字がプリントされているTシャツを着ている｡


首には、ルチルクォーツのチョーカーをして、黒に金色のラインが入ったショルダーバッグを下げて出てきた。


ダークブルーのカーディガンは、ボタンを留めずに、羽織るだけにしている｡


黒のスキニーのジーパンに、ライトブラウンのワークブーツは、全く俺と一緒だ｡


まるで、ペアルックみたいで、ちょっと恥ずかしいかも…。


今日は二人で、新しく出来たアクセサリー工房で、体験教室に参加してきます｡


ソナが、たまたまTVで観た、皮やシルバーのアクセサリーを手作り体験｡


やってみたいと、今朝控えておいた電話番号に掛けてみた｡


そしたら、当日予約は受け付けて無いって言われたが、今日は暇だから良いわよ!って、電話の向こうのお姉さんが言ってくれた。


控えておいた住所をカーナビに入力したら、道順、所要時間が表示された｡


40分ほどで、武蔵野に在るアクセサリー工房
《Silver and Hide Craft【JOY】》
の看板が見えてきた｡


JOYのオーナーは、30代半ばのアゴ髭のある、ガッチリした体格で、中西淳治(ﾅｶﾆｼ･ｼﾞｭﾝｼﾞ)さんと言う人だ｡


先ほど、電話で応対してくれたのは、淳治さんの奥さんで玲子さんと言う名前である｡


年齢を聞いて驚いた｡


玲子さんは、まだ19才だというのだ。


見た目、若いなぁ！なんて思っていたら、本当に若かった｡


去年、高校を卒業して、直ぐに結婚したんだって｡


来月の5月に、20才になると言うのだから、俺より2ヶ月年上なだけなんだよなぁ。


ソナとは、年が近いんだけど、奥さんに、なんだか貫禄を感じてしまう｡