ＣＨＡＮＣＥ １ (前編) =YOUTH=

　



食事を終えて、支払いを済ませた俺は、満腹のお腹を抱えて、のんびりと歩いて帰宅した｡


いよいよ明日は韓国だ！


12時55分のフライトだから、9時にマンションを出たら間に合うな!


目覚ましを朝８時にセットして、シャワーを浴びにバスルームへ入って行った｡


バスルームから出て、時計を見たら22時になるところだった｡


俺は、髪を丁寧にドライヤーで乾かし、上半身裸のまま、キッチンに行き、冷蔵庫を開けると、マンゴージュースをグラスに注いでリビングに向かった｡


牛革のソファーに座り、スエットに着替えた｡


マンゴージュースを飲みながら、レンタルした韓流ドラマの《女人天下》の続きを観ながら、いつの間にか、うたた寝をして仕舞ってた｡


深夜の２時過ぎに首の痛みで目を覚ました俺は、TVとDVDデッキの電源を落として、寝室に入って行った｡


2～3回首をコキコキと鳴らしながら、首の凝りをほぐしてからベッドに潜り込むと、直ぐに眠った｡



朝アラームの音で目を覚ました俺は、DVDをレンタルショップのケースに戻して、サイドテーブルに置いた。


今日、韓国に行く前に返却しておかないと、延滞してしまう｡

だから、投函ボックスにでも、返却しておかなければいけない｡


歯を磨き、顔を洗ったらサッパリした｡


スエットから、リーバイスのヴィンテージジーンズに履き替え、白地に黒でガンズのプリントを施しているＴシャツを着て、黒のスプリングジャケットを羽織り荷物を持ってマンションを出た｡


表を走っているタクシーを停めて乗り込み、東京駅へ向かった｡


来月の7月17日を過ぎていたなら、都心と成田空港を結ぶ新たなアクセスルート「成田スカイアクセス」が開通していて、新型スカイライナーに乗れば、最速36分で到着出来るんだが、まだ開通までには１ヶ月半もある｡


東京駅に着いて、乗車券を購入してから、駅構内に在る喫茶店に入った｡


モーニングセットを頼み、これから向かう韓国に想いを馳せていた｡


１年半ぶりの韓国にワクワクもするが、ソナと一緒に行けない寂しさが俺を包んでいった｡


少し冷めてしまったコーヒーを飲み干して、会計を済ませると、荷物を持ってプラットホームへと向かった｡


快速に乗り込み、約１時間後には成田空港だ｡


その間、静かに目を閉じてた｡