CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
俺も、ソナも、驚愕のあまり大きな声で
「『エ~~ッ!』」
って張り上げていた。
ソナなんて、俺を驚かそうと思って、逆に俺と一緒に驚かされていた。
それでも、一旦受け入れてしまえば、ソナは終始笑顔で、テンション上がりっぱなしだった。
最初は、会社の重役からのお祝いの言葉を頂き、続いて招待された芸能関係の人達の挨拶と祝辞。
芸能人も何人か俺も交友の有る人達が来ていて、お祝いの言葉を頂いた。
その間にも、コースの料理が次から次へと運び込まれ、楽しい会食も進み、次は俺からのお礼の言葉を述べなきゃいけない。
さっき、必死で覚えたスピーチは、唯の無駄骨だし……。
出席者の方々にお礼の言葉を言い、ソナも一緒にお辞儀をして、最後には《幸せになります》と皆の前で誓いをして、談笑の時間になった。
正面ステージ横に設けられたテーブルには、真ん中に俺とソナ。
その両端には、俺の両親とソナの両親が座っている。
皆が計画してくれたサプライズには、本当に驚かされたけど、とっても嬉しかった。
後で聞いたら、皆4日前から知っていたそうだ。
知らなかったのは、ソナと俺だけだった。
その上、皆昨日の内に韓国に来ていて、ロッテワールドホテルに泊まっていたそうだ。
良く飛行機のチケットが取れたね!?って言うと、俺のアボジ(親父)のプライベートジェットで来たんだそうである。
ん?
待てよ‥‥‥‥。
プライベートジェット? ? ?
エ~ッ!
そんなの、いつの間に買ったんだよ!
隣に座っているアボジに、
「アボジ、プライベートジェットっていつの間に買ったんだよ!?」
『アッ!
聞いたの?
あれはね、2年くらい前から有るよ。
俺の40才の誕生日に、自分へのご褒美で買ったんだ!』
「幾らしたんですか?
相当高かったでしょう!?」
『内緒!』
「本当にアボジは物凄いお金の使い方するなぁ~!」
『司会の人が、なんかオッパの方に向かって、何か言ってるよ。』
《クロム、チグムプドXYZヘ…》
「今からXYZとKYUのライブを披露して貰いますって言ってるんだよ。」
『じゃあ、オッパもギター弾くの!?』
「5人揃ってのXYZだからな。
ソナ、今からお前に向けて歌うから。」