CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
 



その後、ソナのお袋さんも来て、俺達家族と一緒に食事をしながら、色々と話をしていった。


まずは、ソナが20才の誕生日を迎えてから、結婚する事。


次に、式は韓国式で行い、ソウルで執り行う事。


披露宴は、日本と韓国の2ヶ所で行う。


結納なんてものは、やらない。


そして、最後にソナのお袋さんから


『結婚するまでは、ちゃんと避妊する事。

良いわね!』


と言う言葉に、ソナの顔がみるみる真っ赤になっていった。



妹のソラは、そんなソナを見てクスクス笑っていたけど、俺は終始苦笑いで終わった。


ソナとソナのお袋さんが帰った後、ソラは疲れたのか、お風呂に入ってから直ぐに寝ちゃった。


俺は、アボジから大事な話が有るからと呼ばれていたので、書斎の前まで来てドアをノックした。


トントン!


「アボジ、チャンスです。」


『どうぞ。』


ソッと扉を押し開き、書斎の中に入って行った。


「何の話ですか?」


『まぁ、慌てない。

とりあえず、そこの椅子に座りなさい。』


と言って、椅子に腰掛けた。


『まずは、婚約おめでとう。

パーティーで、挨拶した後、ソナちゃんに婚約指輪をあげただろう!?

チャンスの代わりに俺が選んでおいたんだ。

サイズは、ハヌルちゃん(俺の妹)の協力で調べて貰ってたんだ。

指輪のデザインも、それとなくハヌルちゃんに探りを入れて貰ってたんだよ。』


「そうですか。」


『あの指輪の代金は、お前のギャランティから引いておくな。

まぁ、そんなに高価なもんじゃないけどな!』


「因みに、おいくらでした?

一応、俺も知っておきたいですから。」


『二つペアで、240万円だよ!』


「240万円!?

メチャクチャ高いじゃないですか!」


『何を言ってるんだよ。

新星グループの次期社長が、そこらの安物をフィアンセに送ったら、笑われるぞ!

婚約指輪だから、240万円でも良いけど、結婚指輪なら、桁がもう一つ上だからな。

まぁ、こんな事はどうでも良いんだって。

実は、チャンスに頼みが有るんだよ。』


「アボジからの頼み事って珍しいですよね!」


『実はな、今新星MUSICに5人組のバンドがいるんだ。

彼女等の実力は、XYZに近いくらいなんだ。

それでだな…、』





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