CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
 



「ちょっと待って下さい。

今、彼女等のって言いました?」


『あぁ!

皆、18才から21才までの女の子だよ!』


「で?いったい俺は、彼女達をどうするんですか?」


『日本で売り出そうと思っているんだ。

今や日本は、空前の韓流ブームだろ!?

色んなダンスグループや、K-POPグループは居るけど、女性バンドは1組も日本でデビューしていないんだよね。

そこで、新星MUSICがその先駆けとなって売り出そうと考えているんだ。』


「歌や演奏が巧くても、見た目が大した事無ければ、難しいと思いますよ!」


『まぁ、この彼女達のプロフィールと写真を見てくれ。

どれも粒揃いだよ!

経歴も、凄いぜ!

3才からギターやってた子や、高校時代に既に新星MUSICの音楽教室でドラムの講師をしてた子も居るんだ。

ベースの彼女は、18才から21才までの3年間、SBSの音楽番組で、スタジオミュージシャンとして働いていたんだ。

キーボードの子は、森本君(ジョージの事)と同じで、小さい頃からピアノをやって来た。

現在、高校を卒業して、うちの音楽教室でピアノの講師をしながら、キーボードも教えているんだ。

ボーカルの子は、4オクターブ出せる喉と、絶対音感を持っている。

KYUと同じく、どんなジャンルの曲も歌いこなせる。

まぁ、演歌や民謡はキライだと言っていたがな。』


「凄いのを発掘してきましたね!

それで、話は戻るけど、俺は一体何をすれば良いのでしょうか?」


『彼女達をプロデュースして欲しい。

大学生とXYZの二足のワラジで、時間的にキツイのは、重々分かっているつもりだ。

でも、お前は新星グループの次期社長となる人物だから、お前の実力を重役達に、知って貰おうと思っているんだ。

彼女達が日本に行き、チャンスプロデュースで、常にミリオンセラーに輝き、それから韓国へ逆輸入って言うか、ここで再デビューさせるとこまでいけば、お前の実力を認めざるをえないだろう。』


「でも、そんな事してたら、ソナとデートする時間も無くなって仕舞うじゃないですか!

ソナの気持ちが揺らいだら、俺はアボジ(親父)を恨んで仕舞うかも!?」


『その為に、婚約して貰ったんだよ。』


「ひで~!」


『ソナちゃんなら大丈夫だよ!

ちゃんと理解してくれる子だから。』

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