CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
ウキウキ気分のまま、親父が買ってくれた●ルシオンに乗り込み、彼女の住む板橋区へと向かった。

何度か行ってるので、迷子になることは無い。

常盤台一丁目の中央図書館直ぐ近くに住んでいる。

30分ほどで到着したら、彼女はアパートの前でポツンと待っていた。

ジーンズのミニスカートに薄紫のキャミソール、白の短いベストを併せ着して、ピンクのキャップを横に被り、これまた淡いピンクのスニーカーを履いている。

かなり可愛い……

足長いし…

身長は160cm有るか無いかギリギリの長身だがモデルみたいだった。

思わず見とれてしまってました。

俺の車に気付いたミリさんは、こちらに駆け寄ってきた。

『テジュン君早かったね!』

「あぁ、お盆だから道が空いていたからなぁ。

さぁ乗って!」

『それではお邪魔しま~す。

スッゴク車内が豪華だねぇ。高かったでしょう!?』

「親父のプレゼントだから金額は判んない。」

『やっぱり金持ちは凄いねぇ!』

「嫌味かよ!?」

『そうじゃ無いけど、ちょっと羨ましかっただけよ。

うちは、15才の時にアッパが亡くなったから、それ以来ずっと貧乏だったもん。

もう馴れたから良いけど、高校生の時にはたまにお昼抜きで授業受けたことも良く合ったんだ。』

「ゴメンな!
何か嫌な事を思い出させてしまった。」

『気にしなくて良いよ。

で、今日は何処に行こうか!?

私、通勤用のバッグと、通勤用の靴を買いたいんだけど、どっか安いところへ連れてってよ。』

「じゃあ、渋谷にでも行こうか!?
アソコだったら何でも揃っているし、値段も比較的安いからな。
まぁ、何と言っても若者の街って言うくらいだから。」

『そうね。じゃあ、行きましょう。』

と俺達は●ルシオンに乗って渋谷に向かった。明治通り手前のコインパーキングに駐車して、センター街の方へ歩いて行った。

一軒の靴屋を見つけ中に入って行った。

『ねぇ、テジュン君これなんかどうかしら!?』

「なかなか似合ってるよ。て言うか、テジュンって呼び捨てで良いよ。

タメなんだから。」

『じゃあ、私の事もミリって呼び捨てにしてくれるかなぁ。

さん付けで呼ばれたら、なんかくすぐったいから。』

「分かったよミリ。」

『ありがとうテジュン。』

「何か、恋人同士みたいだな。」

『そうだね。』
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