レモンドロップス。
「陽斗~、いるんだろ?もうお客さんは帰ったよ」
鳩田さんだ。
「なんでもお見通しだね」
「ん~残念!続きはまた今度だな」
陽斗は名残惜しそうに、あたしの手を握ったまま立ち上がった。
扉を開けると、
「何やってたんだよぉ~、って聞くほうが野暮か」
物置の前で仁王立ちしていた鳩田さんがニッと笑った。
「・・・す、すいません」
急に恥ずかしくなって、あたしが頭を下げると
「若いっていいなあ~。ほれ、向こうでみんな待ってるぞ」
そう言ってあたしたちの後ろに回って、トンと背中を押した。
鳩田さんはそうやって陽斗とあたしを見守ってくれてるのかな。
そう思うと、照れくさくて、でもちょっと嬉しい。
「陽斗、相変わらず熱いなあ~」
「どこ隠れてたんだよっ」
「うっせ!」
控え室に戻ると、メンバーからさっそく冷やかされた。
う~ん、予想通りの展開・・・。
乾君のツッコミに陽斗がコブラツイストで反撃していると、笑って見ていたリーダーの浩一郎さんが不意に、
「なあ、陽斗。気づいてたか?今日のライブにギャラクシーミュージックの社員来てたってって」
「えっ?」
「兄ちゃん、それマジ?」
みんなの動きが止まった。
ギャラクシーミュージックって言ったら、有名なバンドがいっぱい所属してるプロダクションだよね。
それって・・・、スカウトとか?!