レモンドロップス。

控え室の隅でニコニコしていた鳩田さんが、

「おれも知り合いに言われるまで気づかなかったんだけど、間違いないってさ」


「調子に乗っちゃいけないけど、最近は客も増えてるし、陽風も確実に成長してきてると思うんだ。」

浩一郎さんはまじめな顔で言った。

「俺たちにチャンスが近づいているのかもしれない」


「・・・もしかしたら、デビューもありえるってことかよ?すげっ!」

乾君が興奮したように言うと、

「この流れをしっかり掴んどく必要はあるな」

日ごろは無口なベースの透さんが、早口で言った。


「これからは今まで以上に気合入れる。Ninaのステージを武道館のステージだと思って、一回一回のライブでパフォーマンスしてくから」

陽斗が静かに、でも頬を紅潮させながらみんなに宣言した。


「・・・Ninaが武道館って、そりゃ光栄だなあ」

鳩田さんが陽斗の言葉に吹き出した。


「陽斗、やる気満々じゃん!」

「いや、それくらいの気合がなきゃダメだって」

みんなが口々に話し出して、控え室はライブのときみたいに熱気を帯びた。


陽斗の音楽が広まるチャンス、陽斗の夢が広がるチャンスなんだ・・・。

あたしも思わず胸が熱くなった。


陽斗の夢、叶いますように。



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