レモンドロップス。
「えっ」
今度はあたしがそう返す番だった。
「2人が前向いてるって、過去とキチンと向き合ってるって、何で言えるの?」
陽斗の瞳が、熱を帯び始める。
重くて黒い、泥のような熱だ。
「あいつは今までのこと、何も俺に話さない。他人の人生を自分が変えたことに目を背けてるだけのやつなんだよ」
「でも倉本さんはこれから」
「黙れよ!!」
陽斗の声が病室中に響き渡って、あたしは平手打ちされたような衝撃を受けた。
体の熱さが一気にひいていく。
陽斗の目にははっきりと怒りの色が浮かんでいた。
それを見て、今度こそ、背筋が寒くなった。
「彩香がなんでそんなこと言うんだよ」