レモンドロップス。
気がつくと、陽斗の口はしっかり閉じられている。
そしてあたしに向けられた瞳に、温度はなくなっていた。
そこでやっと、あたしは我に返った。
「あたしいずみちゃんや…陽斗のお父さんに会ったの」
その言葉を聞いて、陽斗はかすかに目を見開いた。
「2人とも、自分の過去と向き合って生きてるよ。自分の足で歩こうとしてたよ」
「…だから?」
必死に絞り出した言葉を刺すような、温度のない陽斗の言葉。
「だから…、陽斗にも2人みたいにちゃんと前を向いてよ」
「彩香に何が分かるの?」