レモンドロップス。


「陽斗・・・」


 あたしは同じ言葉を繰り返すことしかできなかった。

 目の前がぼんやりして今の言葉が頭の中でじんと響いている。

 春の日差しにのぼせたのかな。

 
 あたしの表情に焦ったのか、陽斗は急に早口で

 「と言っても俺はもう転校しちゃったし、物理的に一緒にいる時間は短くなるけど、でも」

 そう言うと、

 「俺は彩香が好きです。一緒にいさせてください」

 深々と頭を下げたまま、動きを止めた。

 また左手が小さく震えている。



 陽斗はあたしの光、そして、あたしは陽斗の光・・・?


 ごめんね陽斗。

 それはまだ実感できないんだ。


 だけど。



 「あたしも」


 ねえ、陽斗。

 ちゃんとあたしは笑えてるかな?

 

 「あたしにも、陽斗が必要です」


 ちゃんと前みたいな明るいあたしで、あなたの前にいるのかな。


 
 「よろしくお願いします」
 

 あたしも深々と頭を下げた。

 下げた拍子に、また涙が一粒ぽたりと落ちた。


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