レモンドロップス。
不安はすぐに消えてくれない。
傷つけたり、傷つけられたり、きっとこれからもたくさんあるよね。
だけど理屈じゃない、何かがあたしの背中を押している。
大丈夫、前に進もう、そう言ってくれる。
そしていつか本当に陽斗の光になるために、これからも陽斗と一緒にいるんだ。
かはっという声が聞こえて視線を上げると、陽斗は顔をくしゃくしゃにしていた。
「陽斗・・・、どうしたの?」
「あー、怖かった、ほんと怖かった。緊張しすぎて息止まってたし・・・」
はああ、陽斗は大きく息を吐き出すと
「ありがとう、彩香」
そう言って、真っ白な歯を見せて笑った。
今まで見せてくれた中で大きな笑顔。
目が飛び切り細くなって、目尻のしわまで嬉しそうだ。
思わず見入ってしまう笑顔。
そう、あたしはこの笑顔が大好きだったんだ。
懐かしい宝物を発見したような暖かい嬉しさがじんわりこみ上げてくる。
「こちらこそありがとう・・・、ってなんか照れるね」
「うわ、それ口に出して言うなよ。ほんとに恥ずかしくなるから」
「そ、そう?って、陽斗ほんとに耳が赤いよ」
「だから言うなって!」
まるで小さい子どものようなあたしたち。
照れるのも、ぎこちないのも当然だ。
だって、2人はまた一から始めるんだから。