レモンドロップス。
声をかけたのは、バンドのリーダーだという浩一郎さん。
大学生で、実は乾くんのお兄さんなのだ。
ちなみにこちらも爽やか系のイケメン・・・!
「アンコールでカーペンターズなんて初めてでびっくりしたよ」
・・・ドキッ!
そうなのだ、3曲目が終わって鳴り止まない拍手の中で、陽斗が弾き始めたのは・・・
カーペンターズの『Top of the World』。
うそっ!そう思ったとき、陽斗はあたしの方を見てかすかに笑った。
陽斗があたしにサービスしてくれたのかな?
――河原でのデュエットの思い出に。
そうだったら、こんなに嬉しいことないよ・・・。
「まあ、いっつもおんなじ曲ばっかじゃつまんないし」
陽斗はドキドキするあたしを横目に、さらっと答えた。
「いい曲って、周りのお客さんも言ってたよ!あたしも好き~」
そう言う菜美の言葉にあたしと陽斗は思わず目を見合わせて、小さく笑った。
2人だけの秘密、ってことにしておこう。
お互いの言葉が聞こえた気がした。