レモンドロップス。
「お疲れ~、いや~陽風よかったよ!」
小太りのおじさんが汗を拭き吹き入ってきた。
「あ、お疲れ様です!!」
メンバーがいっせいに立ち上がって挨拶する。
・・・このおじさん、何者?
「こちら、このライブハウスのオーナーの鳩田さん。」
浩一郎さんが気を利かせて紹介してくれた。
あたしたちのことを浩一郎さんから紹介してもらうと、鳩田さんは
「へえ、珍しいね!陽斗くんが女の子を誘うなんてさ!」
「ちょっ、変なこと言わないでくださいよ~」
陽斗が焦ったように言った。
「え?そうなの?あたし陽斗ってもっと女の子どんどん誘ってると思ってた」
思わずあたしが言うと、陽斗は
「お前な~、どんな目で人を見てるんだよ?」
そんなあたしたちを、バンドメンバーがニヤニヤしながら見ている。
・・・なんか恥ずかしい、けど、陽斗にとってあたしが『珍しい』女の子?
特別なんだと思っていいの?
嬉しくて、くすぐったい気持ちがわいてくる。