レモンドロップス。

「お疲れ~、いや~陽風よかったよ!」

小太りのおじさんが汗を拭き吹き入ってきた。

「あ、お疲れ様です!!」

メンバーがいっせいに立ち上がって挨拶する。

・・・このおじさん、何者?


「こちら、このライブハウスのオーナーの鳩田さん。」

浩一郎さんが気を利かせて紹介してくれた。


あたしたちのことを浩一郎さんから紹介してもらうと、鳩田さんは

「へえ、珍しいね!陽斗くんが女の子を誘うなんてさ!」

「ちょっ、変なこと言わないでくださいよ~」

陽斗が焦ったように言った。


「え?そうなの?あたし陽斗ってもっと女の子どんどん誘ってると思ってた」

思わずあたしが言うと、陽斗は

「お前な~、どんな目で人を見てるんだよ?」

そんなあたしたちを、バンドメンバーがニヤニヤしながら見ている。


・・・なんか恥ずかしい、けど、陽斗にとってあたしが『珍しい』女の子?

特別なんだと思っていいの?

嬉しくて、くすぐったい気持ちがわいてくる。

< 52 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop