三つの月の姫君
 酔生夢死。  


 一生わからないでいたら、良かったのかも知れない。


 ミスターは言葉なく、青年を振り返った。


「はあ」


 青年はため息だ。


 彼だとて心の底から知りたかったわけじゃないし、できればどこかに逃げ出してしまいたい。




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