三つの月の姫君
 日頃楽しいことのない生活をしているのだろう。ちやほやされたい、異性にもてたい。


 でもかなわない。


 苦悩の日々。


 寂しいことだ。


「お二方、そのようなところで風にあたられていらっしゃるとお体に良くありません。城でなにか振る舞いましょう」


「フィオナ、それはフィリアの役目だよ」


「あの子、出てこないから代わりに言いにきたの」


 額つきのいい娘だった。まだうら若く、美しい。



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