三つの月の姫君


 本当に言いたいことは小声で言って、堂々と背を見せて城へと向かう青年に、男はにやりとした。

 
「本音、いわせてやったぜ、どあほうめ」
 

 そして少し満足そうに青年を殴った拳を握りしめ、もう一度「どあほうめ」と言った。 
 
 それはやっぱり、どこかうれしそうだった……。











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