三つの月の姫君
「大丈、夫ですか?」


 青年の姿に憐憫の情でもわいたか、真っ直ぐに手を伸ばしてきた。


「ここのところ多いわ。あ、外からいらした方なのですね。ここにいる限りは平気ですよ。見えない力で守られているの。王様の力で」


「王様?」


(さっきも確かめたけど、王政なんだなあ……ここは別荘地か?)


「ええ。だから、ご安心下さいませね」


 少女は少し不器用そうに、それでも彼を気遣うようにして微笑んだ。



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