三つの月の姫君
 ちょっと人見知りするような仕草とか、あと……このことはほんの少し、自惚れてるかな、と青年は自分で思うけれど、彼に親切だ。
 

 そんなの、フィリアだけなのだ。


 わからないはずがない。


 男だか女だかいつも不思議がられる彼の主人を、間違いなく男だ、と言えるのと同じに。


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