天翔る奇跡たち
竜姫さんの戯言
 

「おもしろい顔をしておる」

 竜のお姫様、自力でグリフの体を昇って肩に乗っかってむにゅ~、とグリフの頬を引っぱった!

 きゃ! いやよ崩れたグリフの顔なんて! いや、ちがうな。ここは崩れた顔のグリフ、が正しいのかな? あれあれ? いや、そーすると、あたしは彼の顔が良いと思ってるってこと?

 確かにハンサムなのは認めるけれど……あたしはまたグリフの傷を思った。本気で好きなら、いつか、あたしも彼を傷つけるようになるんだろうか? そんなことにならないことを祈ろう。

「私などの顔に直接お手を触れられますのはよくありません。アップルの言うとおり、長旅の埃だらけで御身が汚れますゆえ」

グリフは困ったように言い、また笑み。

 って、どう見てもそれは罪だよ。これじゃ、女の子がついほだされちゃうのも無理はない。





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