天翔る奇跡たち
考えてみると一見正反対の性格に見えるグリフとガナッシュだけど、戦うときは絶妙のコンビネーションを見せる。ドロップスはあたしを頼ってくれてる。そのときはあたしもがんばらなきゃって思う。子はかすがい……って、誰と誰のよ! きゃあ!
あたしはとりとめのないことを考え始める。
「あに、ほやーっとしてんだよ」
ガナッシュにつっこまれてしまった。そーなんだよね。あたしってば誰かがこうやって引き戻してくれるひとがいないと、いつまでーっも、とりとめなく考え続けて結局自分の意見なんて忘れてしまうんだ。
一度話をしようと努力してみたんだけど、もーだめ。
彼らの話に混じるどころか、そのときそのときで思いつくままをどうやって彼らに伝えれば良いのか、まるっきり、これっぽっちもわからなくて、あたし、オトコノコとはずーっと話ができないんだと思ってた。
それが……ドロップスの奪還にあたって協会の要請があったといっては騙し、現法の施す限りの罪状を並べ立てて、見せ物小屋の主人をやりこめた。
あのときだけは、あたし、忘れないよ。