天翔る奇跡たち
しかもあたし達が通入り込み、通り過ぎた後、道は閉ざされ、また門は閉まってしまった。
小さな子もいることだし、野宿での厳しさは身に染みてるから、できるだけ避けたい。
人目につかぬように、との指示もある。
なのであたし達は決心した。
まだ夜の明けない里に乗り込むことを。
ガナッシュの命名、スラッシュメタル(かんしゃく玉)が火を噴く。
いや、竜の里ではさ、たいまつに特別な樹脂みたいなものを使ってあるらしい。
それは明々として、誰にも手出しできない領域の、暖かな灯火。
でね、火気厳禁だと思っていたあたしも拍子抜け。
まあ竜神様のお社だから、それなりの対策はあるに決まってるんだ。
「ズゴーン!」
見張りの兵が慌てて出てきて正門に集まり、いぶかしげにする。
「口で言うんだ……ガナッシュ」