ヤンデレな人たち
 彼女にとって一番のことは『アレ』をすることなのだから。



 目的の場所に付いた少女はマッチを適当な間隔に撒き始める。周りは融雪剤をまいているのだろうと思っているから特に気にしない。



 そして一本のマッチに火をつける。燃えていくその先から見える光景、今はどうでもいい。自分はあの人と幸せになるんだ。その為に邪魔な奴には消えてもらうしかない。弱肉強食なんだ。



 火のついたマッチを彼女は真下に落とした。撒いてあったマッチは導火線のように燃えうつりそして家の周りを赤い炎が囲んだ。そして簡単に飛び越えられる程の高さだった炎がみるみるうちに高くなり、自分の背丈を越えていった。そしてごうごうと家を包んで燃えてしまった。



「あははは!燃えろ燃えろ!あんな女の家燃えて無くなってしまえばいいんだ!あはははは!」



 少女は燃え盛る家を見てただ大きな声で笑っていた。その笑い声は狂喜に満ちていた。

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