教育実習日誌〜先生と生徒の間〜

放課後はまた、竹森先生と一緒に今日の授業の反省と、明日の授業の打ち合わせ。


「今日の授業では、ここのポイントが少し伝わりにくいみたいだったから、明日はこんな風に板書してみましょうか?」


国語科準備室の壁にある、ホワイトボードへさらさらと書いていく竹村先生。


なるほど~。


板書と説明と発問、このポイントが少しでもずれていると、意味不明になっちゃうのね。



感心している私の耳に、ドアの音が聞こえる。


プリントの束を持った深瀬先生が入ってきた。


う、ちょっと警戒しちゃうんだけど。


竹森先生と一緒だからいいか。


深瀬先生は、こちらを気にする様子を見せずに、プリントのチェックをしているみたい。



「それじゃあ、明日も頑張りましょうね」


「ありがとうございました!」


打ち合わせが終わって、竹森先生と一緒に職員室へ戻ろうとしたその時。


「安西先生、ちょっといいですか?」



ま、またですかっ!


あわわ、竹森先生が行ってしまった後、あなたと二人きりになりたくないです。


・・・・・・なんて言えないよ。



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