教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
菫にとって、俺はいつの間にか保護者になっている程の石頭だったのか。
だが、石頭だからこそ、実習期間中も隠し通すことができた。
最後、渡辺に暴露したのだって、高校側の評価が決まって発送済みだから問題ないと思ったからだ。
……菫が大事だから、菫の不利益を最小限にするため。
いつも本能を抑えて、理性を総動員しているというのに。
全く、そこまで煽られたらもう、降参だ。
力いっぱい抱きしめて、宣言する。
「そこまで言うのなら、覚悟はできてるんだろ?」
「うん」
「まだ、理性が多少残ってるうちに言っておく。
菫が思うほど、甘い生活ではないと思う。
それでも、俺と結婚できるか?」
泣き笑いの表情を浮かべた彼女も、宣言した。
「先生の仕事が甘くないこと位、とっくに理解してるもん。
それでもいいの。先生じゃなきゃ嫌なの。
私を幸せにできるのは、先生だけ……」
彼女の言葉がすべて終わる前に。
理性が白旗を揚げて、去って行った。
やっと自由になった本能が、俺を支配する。
菫に深く口づけてから、耳元で囁く。
「ずっと、こうしたかった。
禁断症状も本能も、石頭で抑えるしかなかった」