教育実習日誌〜先生と生徒の間〜

私だったら、一緒にお弁当を食べて、少しでも寂しくならないようにできるかな？


全然知らない土地に進学して、心細い気持ちになるのは私もよく解るもん。


私はうるさい位しゃべるし、進学する前に「かんなちゃん」っていう友達がいたけど、木内さんは今もまだ一人ぼっちみたい。


よし、彼女と仲良くなれるように頑張ろう！


「先生、私、木内美羽ちゃんと一緒に明日、お弁当を食べてみようと思います！」


男の先生ができないこと、私ならできるかもしれないもん。


我ながらいい考えだと思ったのに、先生が言ったのは。



「気持ちはとてもありがたいのですが……まずはクラスみんなと仲良くなって欲しいというのが、私の考えです。

黄金の三日間は、明日で終わります。

クラス全員に声をかけましたか？

女の子みんなとお弁当を食べましたか？

来週は授業が始まって忙しくなるので、教室でお弁当を食べている余裕はなくなります。

木内にあまり深入りしすぎると、他の生徒とのコミュニケーションが取れずに終わってしまいますから」



先生の言ってることはごもっとも。


でも、やっぱり私はどうしても木内美羽ちゃんと早く仲良くなりたかった。