教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
懐かしの社会科準備室。
先生に鍵を貸してもらい、美羽ちゃんと二人、先生方の机をちょっと拝借。
いかにも緊張してそうな美羽ちゃんと、何を話そうか考えた。
ここはやっぱり、私の話でもしとこうかな。
「懐かしいな~、ここ。
私ね、高校時代、ケータイ小説のネタ集めに、よくここで松本先生に取材してたの。
先生と生徒の恋愛小説を書きたくってね、色んな話を思いついては先生にダメ出しされて。
まあ、確かに自分が実習生であれ教壇に立ってみたら、私が書いた小説ってホント妄想ぎっしりのとんでもない先生ばかりだったんだけどね。
でもさ、一度も誰とも付き合ったことがない女子高生が夢見た恋愛って、そんなものだと思うのに、先生ったら情け容赦なくツッコんでくれちゃってさ。
ひどいでしょ~。でも、あの頃現実を知っておいて良かったかも」
そんな話をしたら、美羽ちゃんが少しだけ微笑んでくれた。
笑ったら、片方のほっぺにえくぼができるんだ、可愛いな~。
はかなげで、守ってあげたくなっちゃうタイプ?
もっと仲良くなりたくて、ちょっとだけ踏み込んだ話をしちゃおうと考えた。