教育実習日誌〜先生と生徒の間〜

放課後。


竹森先生との指導案検討や打ち合わせが終わり、お姉ちゃんにメール送信。


『5時半に学校へ迎えに来てくれる?

そのまま、美羽ちゃんの下宿へ寄って、うちへ帰るから』


『了解』の返事がすぐに来た。



職員室へ寄り、先生に挨拶して帰ろうと思ったら。


「安西先生も、今日の実習生の飲み会に行くんですよね?」


え? 何でそんなこと先生が知ってるんだろう。


「いえ、用事があるので断りましたけれど」


そう言ったとたん、先生ったらあからさまに嬉しそうな顔をしてた。


変なの。ま、いいけど。


「ところで、何の用事があるのか聞いてもかまいませんか?」


これはもう、先生に心の準備をしてもらった方がいいかも知れないよね・・・・・・。


「例の事例の生徒について、重要な事柄を確認しなくてはならないのです。

結果次第では、先生にもすぐご連絡しますので」


先生は、首をかしげていたけれど、職員室ではこれ以上明かせないの。


どうか、連絡せずに済みますように。


そう願いながら、職員室を後にした。

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