ストロベリーフィールド
お店の前に立つと、ゆっくりとドアを開けた。
ドアに付けられた鈴の音が、優しく店内に響いた。
実可子さんはあの日と同じように、エプロンで手を拭きながら現れた。
「彩ちゃん!?」
私の姿に驚きを隠せないようだった。
「こんにちは。 あの…翔のことで――」
「とりあえず座って。 店先で立ち話っていうのもなんだから」
実可子さんは私の言葉を遮り、席へと案内した。
通されたのはあの日、翔と二人で座った場所。
和希は窓の外を黙って見つめていた。
しばらくして、実可子さんはミルクティーを出してくれた。
「翔ちゃんを探しに来たの?」
実可子さんの言葉に、カップへ伸ばした手を
テーブルの下へと戻した。
「ここに来た次の日から、連絡が取れないんです。 家にも帰ってないみたいで…」
実可子さんの表情は曇ったまま、下を向いている。
「翔、実可子さんのことすごく慕ってるみたいだったから、ここには来てるんじゃないかと思って…。 何か知りませんか?」
「二、三日前に来たのよ。 だけど…もうここには来ないと思う」
「えっ…」
「なんだかいつもと様子が違ってたの。 何か悩んでいたのかもしれない。 だけど翔ちゃん、あんまりそういうことって人に話さないでしょ? だから私も聞かなかったの」
「そう…ですか」
淡い期待が弾ける音がした。
ドアに付けられた鈴の音が、優しく店内に響いた。
実可子さんはあの日と同じように、エプロンで手を拭きながら現れた。
「彩ちゃん!?」
私の姿に驚きを隠せないようだった。
「こんにちは。 あの…翔のことで――」
「とりあえず座って。 店先で立ち話っていうのもなんだから」
実可子さんは私の言葉を遮り、席へと案内した。
通されたのはあの日、翔と二人で座った場所。
和希は窓の外を黙って見つめていた。
しばらくして、実可子さんはミルクティーを出してくれた。
「翔ちゃんを探しに来たの?」
実可子さんの言葉に、カップへ伸ばした手を
テーブルの下へと戻した。
「ここに来た次の日から、連絡が取れないんです。 家にも帰ってないみたいで…」
実可子さんの表情は曇ったまま、下を向いている。
「翔、実可子さんのことすごく慕ってるみたいだったから、ここには来てるんじゃないかと思って…。 何か知りませんか?」
「二、三日前に来たのよ。 だけど…もうここには来ないと思う」
「えっ…」
「なんだかいつもと様子が違ってたの。 何か悩んでいたのかもしれない。 だけど翔ちゃん、あんまりそういうことって人に話さないでしょ? だから私も聞かなかったの」
「そう…ですか」
淡い期待が弾ける音がした。