Memory with you〜陽はまた昇り繰り返して逝く〜
佳菜の親と僕の親は僕たちが生まれる前からの付き合いで僕らは家族ぐるみの付き合いをしていた。


僕たちが小さい頃は『大きくなったら結婚するんだぁ』とふたりでよく遊んでいたものだ。


家も隣、小学校、中学校、今日から通う高校も一緒のコテコテの幼なじみだった。


「あれ?陽介まだ起きないの〜?
ごめんね〜、佳菜ちゃんに迷惑かけてばっかで〜ほほほほ!」


母には全然悪気がない。


「も〜、圭子さんが起こして下さいよ〜!」


圭子さんと呼ばれているのは僕の母。


父は僕が産まれる前に亡くなっていて、母は女手一つで僕を育てくれた。


昔一度だけ母に、『再婚もしないで一人でいて寂しくないの?』と聞いたら『遺産をたんまり残して逝ってくれたから全然よゆー♪』と明るく返してきた。


僕は子供ながらに母は無理をしているのを感じ、それ以上なにも言えなかった。
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