マスク・ドール
マカは眉間を指で押さえた。

「…どっちにしろ、破壊するしか道はないだろう。問題は現代の製造者だな。恐らく、当時の『人形』の設計図が残っていたんだろう。誰が何の為に復活させたのかは知らないが、ほっとくわけにもいかないだろう」

「そう、ね。でも目的ならば、ちょっと想像がつくわよ」

「何だ? ルナ」

「能力者を作る為、よ。しかも美しく、才能がある能力者を人工的に作るつもりなんでしょう」

「能力者? だが形は人外なんだろう?」

「だから顔が必要なのよ。どういう造りかは知らないけれど、あのマスク・ドールの名はただの通り名じゃないわ。顔を剥いだ後、マスク・ドールは自分の顔に貼り付けるの。そうするとその人物そっくりになれるのよ」

「はあっ!?」

「そして顔の持ち主の記憶も才能も全て、自分の物にしてしまう。そこが一番恐ろしいところね。当時は被害者の体も上手く隠されてて、見つけるのに苦労したもの」

「つまり…被害者に成り代わってしまうのか?」

「…ええ。だから仲間だと思っていても、いつの間にか入れ替わっている可能性があったの。前回は囮捜査で何とか見つけられてものだし」
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