よ つ の は
『僕も 最初はそう思ったよ…
でも、そうするなら 彼女との結婚も、子供を産むことも許さないって 彼女のお父さんが…』

「そ、そんな… 許さないも何も、これは良治と彼女の問題だろ?!
親父さんは関係ないじゃんか!」

『ミヤビ…
結婚する、子供を育てるってことは そんなに甘いことじゃないよ…
僕はこれから夫として、父親として、それに社会人としての責任を持つことになるんだよ。
だから、お父さんが言ってる事は 大人として正しい事なんだ…』

「何だよそれ! 大人として? そんなの知ったことじゃねぇよっ!
良治には良治の人生があるだろっ!
何でそれを犠牲にしてまで、親の言いなりになんなきゃいけねぇんだよっ!」

『ミヤビ…、この人生は、僕が自分で選んだ人生だよ…』

「り… 良治… 」

『ミヤビには ずっとお世話になってきたけど、これからは僕も ちゃんと自分で生きていくよ。
何も無かった僕を、バンドに誘ってくれてありがとう。 すごく楽しかったし、生きてるって実感があった…
ミヤビたちと一緒に立った、フォリックのライブ… 最高だったよ』


「良治…  じゃあもうバンドは脱退するんだな」

『うん、今までほんと ありがとう…』
< 188 / 215 >

この作品をシェア

pagetop