よ つ の は
「はい、女優になりたくて 映画観たりとかドラマ観たりとかして、ちょこっとだけ マネしてみたりはしてたんですけど…
本格的には 何もやってないですよ?」

「へぇー、それでそこまで演れるなら サクラちゃんは才能があるんだよっ!
俺、サクラちゃんのファンになろっかなぁー!
あっ! 今のうちに サインとか貰っておいた方がいいかもっ!」

「クスッ、もぅ… 先輩ったら おおげさですよっ!」

「えーっ、俺 けっこうマジなんだけどなぁー。
サクラちゃんさえ良ければ、付き合って欲しいくらいだよっ!」


―…ガタンッ!!!

「ん、どうしたミヤビ?」

「悪りぃ熊さん、俺 今日は帰るわ… 」

「ぁん? オマエなに勝手なこと言ってんだよ。
もうすぐライブ近いんだぞ?
オマエが練習に参加しなくて どーすんだよ」

「分かってるよ、けど気分じゃねぇんだ…」


ガンッ!!
「あーそうかよっ!
そんなフヌケた野郎は、ウチのバンドにはイラネぇよ!
とっとと帰れよっ!!」

―…くっ!


バタンッ!
―タッ タッ タッ…―



「ぁーあ、僕知らないよ… ウチのバンドは、ミヤビが居ないと成り立たないの熊さんが一番良く分かってるはずだよ?」

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