Love Slave
「?????」


何今さらそんな事訊くんだろう。そんなこといちいち確認することか?
でも、さっきとは違ってご機嫌な様子だった。あれだけ不機嫌そうだったのに。


(私はいつまでこの男の奴隷を続ければいいんだろう?)


毎度のことだが心配になる。誰にも相談なんて出来ないし、それどころか相談しても信じてもらえなさそう。


このまま、一生この男の許で働かされるのか?


街灯が前から順番にびゅんびゅんと通り過ぎていく。そして、幼い頃から見てきた景色が近づいてくる。


閑静な住宅街に場違いなリムジンが入る。緑色の屋根の家が見えてきた。
私の家。玄関にポーチライトが点灯している。家に家族が待っている。


「着いたぞ」


リムジンが静かに停まる。会長が先に出て、私も一緒になって降りる。足許が暗いから、ちょっと怖い。


「お、送ってくれてありがとうございます。それじゃ、お疲れさまでした・・・」


一礼して家に向かおうとした時、身体がピタッと止まった。
右腕が動かない、その原因は会長が私の右手を大きな手で包みこんでいた。


「な、何ですか・・・・・」


動揺している私に対し、会長は真剣な眼差しで見つめている。ここでも眼力が発動している。アニメや漫画に出てくるような特殊能力、いわば金縛りような感覚。


会長はそのまま私を抱擁したのだ。会長の身体は思っていた以上に熱く、私の身体も一緒になって熱くなる。


(ひええええ~)


目がぐるぐる回る。何でこんな時に・・・・。


「お前が航一朗から『撫子ちゃん』って呼ばれた時、腹が立った。・・・・アイツには惚れるな」


それって・・・・・


カシャ カシャッ


会長が鋭い目つきに変わる。ギュッと目を凝らしている。私には分からなかった。彼の目線の先にはまっすぐ伸びた道と電信柱がある曲がり角しか見えなかった。


くるっと私を回転させて、玄関に向かせる。両肩をがっちりと掴みながら、呟くように言った。


「俺がいなくて淋しいなんてワガママは受け付けないからな」


「それってどういう・・・・」


背中をポンッと押して飛ばした。
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