Love Slave
「ふあぁ・・・・・」


起きたてであくびが止まらない。まだ眠い。このままだと、1時間目の授業は確実に爆睡する。


顔を洗って、とんでもない寝癖を直す。まだすっきりしない。
でも、昨日会った気持ち悪さは和らいでいた。寝る前に飲んだサプリメントの効いたのか。


「おはよう」


台所に行くと、両親が朝食を取りながらテレビを見ていた。


「菓子パン食べてく?」


「うん、そうする」


スーパーの袋に入っていたクリームパンをむしゃむしゃと食べる。
寝ぼけながらテレビを眺める。


[続いてのニュースです。昨日の午後5時半すぎ、佐伯厚生大臣が会見を行い・・・・]


佐伯と聞いて、クリームパンを食べるのを止めた。
国会中継で出ている議員さん。公民は不得意だからよく分からないけど、面影がある。


「この人って・・・・・」


「ああ、佐伯蓮太郎(サエキレンタロウ)厚生大臣。次の総理大臣になるんじゃないかって言われているエリート中のエリートだ」


「そうそう。確かこの人の奥さん、宝塚出身の舞台女優よ」


「お前の学校にこの方の息子さんが通ってるって聞いたぞ」


「そうなの!?ひょっとして、生徒会役員の人じゃない?」


私はこれ以上何も言い出せなかった。クリームパンを残したまま、家を出る。
そういえば、クラスの子が副会長は政治家の息子だって言ってたっけ。


まさかそんなすごい人と関っているなんて。
私なんて、平々凡々の一般家庭の子供なのに。


会長もそうだけど、生徒会メンバーって(あとの2人もよく分からないけど)本当にすごい人の集まりなんだよなぁ。


「・・・って、あれ?」


いつものように停まっているリムジンがない。
どうしたのかと携帯を確認すると、メッセージも入っていない。


念のため、電話をしてみる。


[現在、電波の届かない所に・・・・]


「会長・・・・・?」


通じない。こんなの初めてだ。
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