Love Slave
「え・・・・・・」


言われるまで気付かなかった。自分が泣いているのに。
くるっと後ろを向く。ゴシゴシと袖で涙を拭う。


最低最悪。会長にあんなことされた挙げ句、泣き顔を見られるなんて。


ポロポロ・・・・・


拭えば拭うほど涙が溢れてくる。止まらない、止めることが出来ない。
痙攣も治っていない。


恐かった。会長が死んでしまったらと思うと。
恐くてたまらなかった。


ぐいっ


「!?」


腕を引っ張られて、椚先輩は着ているTシャツの裾で私の眼をゴシゴシと拭いてくれた。


「・・・悪いな、ハンカチは持っていねぇんだ」


「・・・・・・」


生温かくて、ちょっと汗臭いTシャツに拭かれて泣きやむことが出来た。
不器用な優しさだった。


でも、ぶっきらぼうな椚先輩でも女の涙には弱いらしい。


「・・・来いよ、足を診てやる」


「は、はい!」


部屋に連れて行かれて、包帯を外される。


「・・・腫れは引いたようだな」


「椚先輩の看病のおかげです」


「・・・そうか」


どっしりと腰を下ろす。
椚先輩の部屋には、帳簿の山になっていた。


「・・・・先輩はどうして生徒会のメンバーになったんですか?」


「・・・あ?」


しまった、また癇に障ってしまったかもしれない。
今度は何されるか・・・・。
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