Love Slave
どうしよう、この真下に会長が血を流して倒れていたりしたら・・・・。


そんな状況になってみないと分からないとは言ったが、まさか本当に実行してしまうとは。


「そんな・・・・誰か、誰か・・・・!」


震えが止まらなくて声が出ない。


(会長が死んだら、私のせいだ・・・・)


こうなったら罪に問われる。会長を殺したのは私だと。


「何情けない声出してんだよ」


下から声が聞こえた。びくびくしながら顔を柵の間に入れる。


会長が満足気に手を振っていた。腰に命綱を締めていた。


「いやー、結構爽快だぜ。ムササビごっこ」


「何で・・・・・」


「本当に死んだと思ったのか?俺は不死身だ、安心しろ。だが、念のため聞いておく。お前は俺のために死ねるか?」


「ばかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


腰は抜けたと思ってたけど、立ち上がれた。すぐさま部屋から出て行く。
人を虐める趣味にも程がある。この質問に答えさせるために身体を張ったのか?
冗談じゃない、心臓が止まるわっ!


会長は命綱に上ってバルコニーに戻る。
そして、フッと鼻で嗤った。


「・・・・ちょっと、度が過ぎたみたいだな」




どんっ


「―――――っ!」


よく前を見ないで全力疾走していたから、誰かにぶつかってしまった。


「ごめんなさ・・・椚先輩!」


椚先輩が仏像のように立っていた。さっきのは見間違えではなかったのか?


「・・・どうした」


「い、いえ・・・・別に」


「・・・じゃあ、何で泣いてんだよ」
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