Love Slave
命綱をしていないから、豪快に崖から落ちる。


ドサ・・・・・・ッ


どれくらいの高さから落ちたのだろう。


「う・・・・ん・・・・」


そんなことよりも、身体中が痛くて動けない。やばい、骨が粉々になっちゃったかも。


さあっ


冷たい夜風が吹く。夏とはいえ、この避暑地では夜は寒い。
身体がかじかんで、感覚麻痺を引き起こしている。それどころか、意識が朦朧としてきた。星がぐるぐる回っている。


(このまま・・・・死んじゃうのかな・・・)


助けが呼べない。このまま野垂れ死ぬ、何て哀れな死に方・・・・。


「・・・・か、もとか!」


誰かが私の名前を呼んでいる気がした。誰だろう?私を呼ぶのは。
もしかしたら幻聴かな。天使が迎えに来たのかもしれない。こんな森の奥深くに人なんているわけない・・・・・。


スッと私の意識は途絶えた。




「・・・おい、しっかりしろ!こんな所で寝るな」


助けに来たのは要だった。額をぺちぺちと叩くが目を覚まさない。
でも死んではいない、意識を失っているだけ。


悲鳴が聞こえたから何事かと来てみれば、まさか崖から落下してしまうとは。
幸いなことにもとかはどこも骨折をしていなかった。身体を少々強く打っただけ。脚は打撲していた。


「・・・人がせっかく治したのによ」


すぐさま同じところを怪我するなんて。聞いて呆れる。


しかし、身体を怪我する以上に、重大なことに気づく。
< 173 / 281 >

この作品をシェア

pagetop