Love Slave
「・・・滅茶苦茶熱い」


もとかの身体は人肌の物ではない。おでこを触っても同じだった。
すごい高熱。夜風に当たってたせいで冷やしてしまった。


「・・・おい、起きろ!!」


揺さぶっても起きない。でも、このまま放っておいたらもとかは・・・・。


要はチッと舌打ちする。森に出る前に応急処置をした方がいい。少しでも早く治療しなければ。


カバンから透明のケースを取り出す。
錠剤はいつも持ち歩いている。


しかし、これは要の病院で処方したものだ。世の中は何て皮肉だ。まさかこんな所で役に立つなんて。


1回分の2錠を出す。一緒に持っていた水筒の水を一杯入れる。錠剤をもとかの唇につける。


「・・・ほら、飲め」


だが、気を失っているため、飲めそうにない。でも、口は若干開いている。
また舌打ちをする。


「・・・世話が焼ける女」


2錠を自分の口に放り込む。水を含んだ後、もとかの顎を上げる。


要は目を閉じて、口を通じてもとかに水を含ませた薬を流し込む。唇を重ねた時、ちょっと水がはみ出た。


口の中の水を総て口移しすると、そっと唇を離す。もとかの喉が上下に動いた。どうやら上手く飲み込んだらしい。


「ん・・・・・」


声を漏らした。薄らと目を開け始める。


「・・・おい、大丈夫か」


もとかの視界はピンボケ状態だった。とりあえず、誰かの顔は見える。


「・・・・会長?」


要の表情が固まる。でも、もとかは全く気付いていない。それでいて、要の服をくんっと引っ張ってきた。


「助けに・・・来てくれたんですか」


そう言うと、再び意識を失った。正しく言うと、気持ち良く寝始めた。
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