Love Slave
合宿最終日。いろいろあったけど、暑さをしのぐにはちょうど良かった。崖から落ちたのに軽症で済んだなんて何て強運の持ち主なんだろう、私は。


これから帰るぞ、と言われたので荷物を整理した時の事。会長の携帯に電話が入った。


「はい、もしもし。うんうん、・・・・そうか分かった」


ちょっと深刻そうな顔をして受け答えをしていた。


「会長?」


「悪い、大至急で家に戻ることになった。悪いがお前を送ってやれない」


「じゃあ、僕が撫子ちゃんを家まで送るよ」


その場に居合わせていた副会長が言ってくれた。マジで自力で帰れと言われるかと思った。


「俺がいなくなって淋しいって言うんじゃないぞ」


「言いません!」


その俺様言葉は余計じゃ!一足先に会長は帰ってしまった。
しかも、自家用のジェット機で。どんだけの急ぎの用だよ。


「撫子ちゃん、僕の車に乗って」


「はーい・・・・」


荷物を先に入れて乗り込もうとした時、両肩を掴まれた。


「!?」


椚先輩がいつの間にか背後に立っていた。気配も感じなかった。いつからいたんだ、この人・・・・。



「・・・コイツは俺が送ってく」


まさかまさかの椚先輩のエスコート。副会長はクスッと噴き出した。


「先に約束したのに、取られちゃった。荷物は僕が家まで運ぶよ。要はバイクだろ?」


「副会長・・・・・」


「ばいばい、撫子ちゃん。また学校でね」


後部座席に乗ってニコニコしながら去って行った。


「・・・さっさと行くぞ。もたもたするな」


「は、はい~」


ヘルメットをかぶって、先輩の腰にがっちりと掴まる。
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