Love Slave
繭さんはうきうきしながら、ケリーバッグから何かを取り出す。


出てきたのは、四つに折られた紙切れ。


「な、何ですか、それは・・・・」


「えへへ~、じゃーん!」


一気に紙切れを広げる。


私の目が点になる。


茶色い文字に枠。何やらたくさん書きこんでいる。


その紙の左上には、婚姻届の文字。


「これって・・・・」


「そう、婚姻届!とうとう入籍しました~」


眩暈を起こしそうになった。これが現実とは思えなかった。だから、太ももを少しつねる。


本当に痛い。


「これにて、三枝繭から草薙繭になりました!戸籍上は草薙姓だけど、仕事の関係上、普段は三枝を名乗るけどね」


何だか色々繭さんが説明してくれてるけど、全然頭に入ってこない。
必要事項はちゃんと記入してあるし、印鑑も押してある。


もう、これで受理される。


「これから挙式の準備に入るから。絶対見に来てね!行きましょ、ダーリン♪」


「・・・・・そうだな」


その時、会長と私の目が合った。


天帝学園にいたときの眼じゃない。同一人物とは思えない。


「行きましょ。じゃあね~」


スッと私と会長が交差する。



近くにいた人が遠くに行ってしまったと感じた瞬間だった。
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